祇園精舎の鐘の声. 諸行無常の響きあり      2020.11.5




沙羅双樹の花の色. 盛者必衰の理をあらわす. おごれる人も久しからず. ただ春の世の夢のごとし.

たけき者も遂には滅びぬ. 偏に風の前の塵に同じ.



と続く平家物語の冒頭です。 この部分で最も好きなのは「おごれるものも久しからず」ですね。

未曽有のコロナ禍は、人のみならず企業までも蝕みました。 栄華を誇る老舗も例外ではなかったと思います。


かの大塚家具も、社長の辞任により一族は大塚家具から姿を消しました。 創業者以外の全くの他人が、会社を牛耳る

と言うのは珍しくありませんが、少なくとも顧客の減少にコロナは影響を与えたに違いありません。

一族の主権争いではなくて、時代がそれを許さなかったのだと思います。 高級志向や顧客の囲い込みなどを

脱却しようとした姿勢は間違っていなかったと思います。 ただ、やり方が悪かったと思います。


おごりがあったのではなかったかと。 商売は三代持たないと言われます。 三代目は、家業を潰すとも。

それは全ておごりでしょう。 いつ天変地異が起こるやら知れません。 コロナ禍然り。

備えあれば患いなしな訳で、とどのつまり備えが全くなかったからそうなるのじゃないでしょうか。


会社は50年が寿命とも言われます。 それほどに50年続くのは難しい。 永遠に会社なりお店が存続すると思うのは、

大きな誤算になりますね。 何かあったら、大きく人生が変わってしまいます。

一世風靡と言う言葉がありますが、嫌いだなあ。  一世風靡して何になると思いますよ。

栄華が末永く続く、なんて夢物語。 川の流れは絶えずして、然も元の水にあらずですよね。

企業が潰れても、お店が潰れても時代の流れは止まることがありません。


物はいいですよ、またどうにかなることもあります。 人はどうでしょうか、病に倒れたら万事休すですよ。

人は再生なんて出来ません。


会社を立ち上げて社長になり、そして潰れて一個人になる。 そんな現実が、あちこちで起こっています。

人生は二度ありません。 

悔いのないように生きて行きましょう。


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