草枕  漱石はかく語りき        2020.7.17        


智に働けば角が立つ,情に棹させば流される

 出展:青空文庫より

やまみちを登りながら、こう考えた。に働けばが立つ。させば流される。意地をせば窮屈だ。

とかくに人の世は住みにくい。住みにくさがじると、安い所へ引き越したくなる。

どこへ越しても住みにくいとった時、詩が生れて、が出来る。

人の世を作ったものは神でもなければ鬼でもない。やはり向う三軒両隣りにちらちらするただの人である。

ただの人が作った人の世が住みにくいからとて、越す国はあるまい。あれば人でなしの国へ行くばかりだ。

人でなしの国は人の世よりもなお住みにくかろう。越す事のならぬ世が住みにくければ、住みにくい所をどれほどか、

寛容て、の命を、束の間でも住みよくせねばならぬ。ここに詩人という天職が出来て、ここに画家という使命が
る。

あらゆる芸術の士は人の世を長閑にし、人の心を豊かにするがとい。



夏目漱石39歳の時の作品「草枕」の冒頭部分です。 作品は1906年。 その10年後に、49歳で没しています。

100年を経て、今はコロナウイルスが蔓延する大変な時代になりました。

今の世の中、政治をを慮ると「智に働けばが立つ。させば流される。意地をせば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。」

読んで字のごとしと言う世の中になっています。 世の中はどんなに不条理で済みにくくても、ほかの世に行くことはできないと言っています。

あれば人でなしの国だと。

政治家の皆さんは国民に選ばれたのだから、どうか逃げ回らないで民意を汲み取って頂きたい。 国民はそれこそ、逃げる場がありません。

何を最も優先させるのか、それを誤ると 情させば流される ことに成り兼ねません。

の命を、束の間でも住みよくせねばならぬ それが政治家の皆さんの使命です。


遠い昔、八甲田山雪の行軍は誤った判断により未曾有の199人の犠牲者を出しました。 それほどに、生命の関わる判断は間違いが許されない。

人でなしの国へ行く ことなど誰も望みません。


勇気が、命を救います。


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