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デッキの周波数特性を見る その5

 
ヘッドのアジマスの調整には、リサージュ波形が必須である。 高音が籠って聞こえる場合や、録音再生時左右のレベルが合わない場合はアジマスの狂いを
疑う。これには基準となる信号が必要である。テストテープもしくは発信器を使うが、簡素化ならばCに録音されたスイープ信号や、デッキ内のキャリブレーション信号を
使うと比較的簡単である。当然だが、アジマスの狂ったデッキでテストテープを作ってはならない・
 リサージュ波形は左右均等出力だと同相になり、45度の線になる。左右のレベルに差があると値は傾きだす。周波数の低い帯域では大抵45度になるが、
高域に行くにしたがって波形は変化していく。テープの状態によってある帯域だけ逆相になる場合もある。この場合はしばらく走行後正相に戻る。
波形の大きさは拡大して表示している。高域ではレベルが低下するので、実際の波形はかなり小さくなる。ソフトには20倍までの拡大機能があるので、
適宜利用する。
 左右のレベル差がある場合。  左右のレベル差の例。
アジマスがずれ始めてくると
直線でなくなる。
 この状態から真円になる。
 
真円から崩れはじめる。 次にこの状態。  真円から逆相になった状態。直線になることもある。この状態を通り越して360度逆相になることもある。
 
TC-K555ESL、低域と高域のレベル差が-0.5dbと非常に小さい。  TC-K5では-7dbと低下が激しい。
 
ナカミチ581。ソニーに対し、-0.5~-1dbと優秀である。
+のマークはアジマスの調整前のピークレベル。
調整前。アジマスの狂いにより出力が低下、
基準となる周波数も大幅にずれている。
 
 アジマスの不良。  調整1。
   
 調整2。  
   8000Hzで追い込んでも、15000Hzではレベルも違ってくる。
8000Hzで調整、15000Hzで確認の作業を繰り返して
そこそこのレベルに到達したが、妥協は必要である。

ドライバーでネジを少し回しては再生や、録音再生の繰り返しで、
しまいには何をやっているのか全くわからなくなってしまうのだ。
 リサージュ波形は10倍ないし20倍に拡大したもの。ここからは微妙な
調整が必要。
 左右レベル差は少し開いたが、ピークレベルは僅かに上昇。
これで一応の妥協点とする。
   
     
     
     
                                                                            


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